Feature: The American Epic Sessions

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American Epic Sessions が発売されました。ジャックが長らく取り組んできた企画の、渾身の一枚。これは是非ともレコードで聴くべきアルバムだと思うのですが、僕はまだ Spotify でしか聴いてません。それにもかかわらず、偉そうに感想を書こうと思います…。

オープニングを飾るのは、今やビッグバンドの Alabama Shakes。『Sound & Color』ではロックの次世代を切り開くような革新的サウンド・プロダクションを聴かせてくれましたが、このセッションでは原点とも言える直球のオールドスタイルを披露しています。結果、どっちにしても凄い歌声なわけで、ブリタニーには時代もスタイルも関係ないですね。

4曲目にはアルバムの目玉の一つとも言えるジャックと Elton John のデュエットがあります。Elton のボーカルは素晴らしく、ジャックもコーラスで頑張ってますが、正直、期待ほどでないかなあ。悪くないんですが、すごく良いわけでもない。二人の相性のせい?ジャックはあと2曲ありますが、そっちも普通ですねえ。それよりも、Third Man でもおなじみの Frank Fairfield や Pokey LaFarge はさすがというか、(良い意味で)ハマり過ぎていて現代のミュージシャンとは思えないほど。ジャックも悪くはないんですけどね…。

個人的に特に好きな曲が2つありまして、ひとつは Merle Haggard と Willie Nelson のデュエット“The Only Man Wilder Than Me”。共にアウトロー・カントリーと呼ばれたベテラン二人の、枯れてなお無骨で男らしい歌声が、最後にちょっとだけ聞こえてくる優しい笑い声まで、最高の2分間です。歌詞を含めてお互いがお互いのことを歌っているかのよう。このセッションのあと、昨年4月に Haggard が亡くなったことも相まって、何とも切ない思いが胸にこみ上げてくるのです。

もうひとつは Nas の“One Mic”。このセッションで唯一、1920年代のサウンドシステムと現代のヒップホップを組み合わせた実験的な試みが、結果、聴いたことのない斬新な音を作り出しています。ジャックのピアノ、Carla Azar のドラム、Dominic Davis のベースも良いです。昔の人がこれを聴いたら、きっとびっくりしたでしょう。ぜひレコードで聴いてみたい曲。Nas はもう一曲の“On The Road Again”も素晴らしいですね。

アルバム全体の感想としては、すごく面白かったです。特に、スモーキーな声質の人のハマりが良くて、本当にタイムスリップして録音してきたかのよう。上で書いた人はみんなそうですね。残念なところは、(繰り返しますが)肝心のジャックがいまいちだったこと。あと Beck も、もうひとつかな。この企画で Beck が良くないはずがないんだけどなあ。ゴスペルより純粋にブルースかフォークが良かったのかも。さらに、ディランやニール・ヤングあたりも参加してくれたら、言うことなかったんですが、それはまた次回(もういい?)ですかね。

Date:06/13/2017 | Comment: 0 |
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